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本当にありがとうございます!!
凄くビックリしました。
と、同時に・・・こ、こんな小説モドキでいいのか・・・orz
と自己嫌悪。
ちゃんとした文体にすべきだったのでは・・・いや、しかし。そうすると頻繁な更新は無理だし・・・などと色々考えております。悩むなぁ。
でも、凄く嬉しいです!!
これも皆さんが通ってくださればこそ、です!!
もっと上位に入ったら、なんか、記念小説でも書きたいな。なんて。
これからも頑張りますので、皆さん宜しくお願いします。
shiro。
なので本日の書き下ろしはありません。
3話連続でR-18はマズイでしょうか・・・。
うーん。
では、明日の夜に。
悩みが解消されているといいけど・・・。
だから、クッションに爪を立て、必死に空気を吸い込んだ。
豪奢な装飾に隠れたスイッチひとつ。
遮光カーテンが音もなく開いたのは少し前だった気がする。
高級感たっぷりのレースがふんだんに使われた真っ白いカーテンの隙間から、
目映いばかりの日差しが差し込む寝室。
壁一面が窓。
外はスカイブルー。
ぽっかりと白い雲。
「アァ・・・アッ、ァッ。」
揺れる私の躰。
揺らしているのはスティーブだ。
「怖くないでしょ? 痛くない?」
優しく聞かれても、私の喉は焼け焦げてしまっていて。
これ以上はないほど背を撓(しな)らせて。
目の前のクッションに縋り付くのがやっとで。
そこは・・・違うっ。
挿れないで・・・っ。
私の怯えた声に、スティーブは濡れた舌で返事を誤魔化した。
本来は挿れられる場所じゃない。
そこを執拗に舐められて。
「大丈夫。優しくするから。」
濡れた吐息と共に何度も囁かれて。
私の腰が砕けるまで。
熱く優しく愛撫は繰り返されて。
諦めて、覚悟を決めたけど。
「気持ちいい?」
優しい声が、耳朶に直接響く。
聞かないで・・・。
解んない。
でも、痛くない。
少し苦しいけど。
「いつも、無理やりだったからね・・・。」
「ひ・・・あ・・・アッアッアッ。」
「もしかして、ディアンも?」
「クゥッ。」
「やれやれ。ウィンより理性はあったはずなのにな。相手が姫ちゃんだと、やっぱり
タカが外れたか・・・。」
意味の解らない言葉。
意識を素通りする恐怖の記憶。
以前は、痛くて、苦しくて、怖いだけだった。
この行為は。
なのに。
「あぁっ。ンッ・・・、ンンッ。」
しっかりと私の腰を掴む大きな手。
私の中を熱く掻き回すカタマリ。
濡れて滴る喘ぎ。
恥ずかしいのに。
どうして?
どうしてスティーブだと、こんなに違うの?
「こっちはね。やっぱり相性があるんだ。本当に嫌がる女性(ひと)もいるし。慣れて
しまえば平気になる女性もいる。でも、やっぱり男の性格に左右されるかな。」
テクもだけど・・・。
男が自分本位だとダメみたいだよ。
あと、せっかちな男もダメだろうね。
緩やかな突き上げで私を喘がせながら、他人事みたいに・・・。
ああ・・・でも。
違う・・・。
同じ事をされているはずなのに。
ウィンやディアンさんと、ぜんぜん違う。
私の躰が、餓えているから?
一年半。
この躰は誰の物にもならなかった。
誰かに所有されていたなんて、ずっと忘れていたのに。
欲しいとも思わなかったのに。
私にとって、肉体的な関係は恐怖以外の何物でもなかったから。
それなのに・・・。
「シ・・・ツ・・・汚れ・・・ちゃうぅっ。」
高級ホテルのシーツだよ。
洗うのは顔も知らない誰かだよ。
こんなに・・・こんなに汚して・・・っ。
「くすくす。姫ちゃん、余裕だね。」
だって、膝がヌルついて・・・。
クッションが、べとべとっ。
「ッ。あぁぁっ。」
余計な事を考えてる私に、深い突き上げ。
余裕なんてぜんぜんないけど。
だけど、変な事考えてる。
その自覚がある。
後ろからずっと。
何回イッたか解んない。
何回イッても終わらない。
ダメ・・・もうダメ。
「気持ちいい?」
「あっ、あっ、あ・・・。」
クッションに額を擦りつけて。
待つの。
あの瞬間を・・・。
「スティーブ・・・スティーブ・・・っ。」
「うん?」
どうしてこんなに冷静なの?
スティーブは何も感じてないの?
「スティーブ・・・もうっ・・・もう・・・ダメェェェっ。」
私だけ熱くなってる。
私の躰だけ。
私の心だけ。
バカみたいに。
淫乱だ、私。
涙、出て来る・・・。
なのに。
「違うよ。」
どうして解るのかな。
私の考えてる事、全部。
「姫ちゃん、解ってないでしょ。」
ゾクゾクするくらい甘い声が、私の首筋で囁く。
「オレは・・・オレまで、姫ちゃんを傷つける訳にいかないんだ。でも・・・。」
背に触れる肌が、熱い。
「本当は・・・凄く・・・。」
メチャメチャ壊シタイ・・・。
オレ、壊スノ、得意ダカラ・・・。
「愛してるよ・・・姫ちゃん・・・。」
ああ・・・ダメ。
私・・・また・・・イッちゃう・・・っ。
昔。
誰かが言ってた。
飯田だったか。
私と、ウィンと、スティーブ。
三人の中で一番怖いのは。
スティーブだ、と。
ああ、解ってる。
彼は、先の先まで読める男だから。
本能のみであらゆる事に対処できる人間だから。
そして。
誰にも支配されたりしないから。
私は、ダメだった。
ウィンの支配から、脱する事が最後まで出来なかった。
姫がウィンにレイプされた時ですら。
私は助けなかった。
彼の命を優先したから。
ウィンに生きる気力を呼び覚ませるのは、結局、姫しかいなかったから。
助けなかったのだ。
気づいていたのに。
傍にいたのに。
あの部屋の前で。
ただ、耳を塞いだ。
あの後。
スティーブに殴られて気づいた。
ウィンの逝った後、姫に残される時間の長さ。
心の傷は、決して癒される事はないという事実。
それなのに。
事もあろうに。
私まで・・・。
初めて、衝動的に女を抱いた。
泣き叫ぶ貴女(ひと)を、無理やり。
逃げようとしたから。
ウィンの傍から。
否。
違う。
私の傍から、逃げようとしたからだ。
『不器用なヤツ。おバカ。』
事実を知られた時。
やはり殴られた。
しかし、スティーブには解らないだろう。
触れる事すら怖くて、逃げてばかりいた私の心など。
あの一瞬。
魔がさした。
紙袋に僅かな着替えだけを詰めて。
ドアの前に立っていた姫と鉢合わせした瞬間。
それが、すべての始まりだった。
いつも焦がれていた。
スティーブ。
その自由で、大らかで、誰にも支配されない同い歳の義兄に。
そうなりたくて。
彼のように生きたくて。
けれど。
私には無理だった。
姫・・・。
私が、生まれて初めて愛した貴女(ひと)。
ウィンのすべてだった女性(ひと)。
貴女はしらない。
あの小さな躰を抱き締める度。
私がどれほど満たされ。
その陰でウィンに嫉妬していたかなど。
一生を懸けて償うつもりだった。
死ねと言われたなら、きっとそうしたろう。
けれど。
姫はいなくなった。
消えてしまった。
私の傍から。
突然に。
「そういえば、彰が妙な事を言ってたわ。」
ぼんやりと窓の外を見ていた。
文子は手を休める事無く花を活け続ける。
「妙な事?」
「ええ。変な女が何度も璃羽ちゃんを訪ねて来たと。」
「変な女?」
「ええ。なんだか璃羽ちゃんがお世話になった人らしいけど。スティーブに、璃羽ちゃん
を返せって迫ってたそうよ。」
「・・・。」
「だったら奪い返せ、なんて言ったらしいけど。」
「スティーブらしい・・・。しかし、誰だ。」
「詳しくは解らないけど。銀ブラした時、聞いてみたんだけど・・・。とってもいい人だって。
それだけ。璃羽ちゃんがお世話になってた農家の人かしら・・・。どうも、そんな感じでは
なかったと彰は言うんだけど。」
「訳の解らん女に、してやられるスティーブじゃない。」
「そうだけど。まあ、璃羽ちゃんもスティーブと帰って来るって言ってたし。驚くくらい落ち
着いてたから心配はないと思うわ。」
「そう・・・か。」
私がいなくても。
姫は大丈夫なのだ。
テーブルの上。
試しに灯したキャンドルの明かりが揺れる。
「うーん。最高。やっぱりガラスの花器にはキャンドルよね。」
文子はご満悦だ。
その様子を見ながら、私はまるで別の事を考えている。
そろそろクリスマス・ツリーの準備をしなくては。
それから。
それから・・・。
知らなかったの。
私は。
男の人の腕の中が、こんなに心地良いなんて。
だって。
いつも。
押さえつけられて。
無理やり躰を開かれて。
息も出来なくて。
ただ、必死に歯を食い縛って。
我慢して。
ただ、耐えて。
だから。
知らなかったの。
キスにも色々あって。
髪の撫で方にもいっぱいあって。
肌の触れ方もそれぞれ違っていて。
何も知らなかった。
私。
「ん・・・。」
悪夢に魘されて目覚めた。
夜明け前だった。
「大丈夫。大丈夫だよ。」
スティーブの暖かい腕の中。
何度も、何度も、優しい囁きが降って来る。
酷い夢を見た。
悪夢のような日々。
愛されているのだと、信じられたなら。
きっと。
もっと別な時を過ごせたのかもしれない。
大好きな人の残された時間を。
優しく、穏やかに。
でも。
ウィンの愛を信じるには。
私は。
傷つけられ過ぎていて。
「泣かないで。姫ちゃん。」
暖かい腕の中。
涙が、止まらなくて。
「ん・・・。」
「大丈夫だよ。姫ちゃん。」
碧い瞳が私を見てる。
優しく。
「あ・・・。」
「何もしないよ。大丈夫。」
降りて来る唇。
啄ばむように。
額に、頬に、涙に。
「ふ・・・あ。」
大きな手のひら。
肌の上を滑る。
「姫ちゃんは、甘いね。砂糖菓子みたい。」
鎖骨をペロリと舐めて囁く。
スティーブの声の方が甘い。
「怖いよ・・・スティーブ・・・怖い。」
奪われる事しか知らない。
痛みと、恐怖と、諦めと。
目を閉じると蘇る。
狂った視線。
どうして私なんだろう。
何度も何度も自問自答した。
結局、何も解らなかったけれど。
スティーブの舌が、ゆっくりと滑り降り始めた。
鎖骨から胸の谷間に。
更に下へ。
「ふぁっ。」
「何もしないよ。ただ、触れたいだけ。」
さらさらの髪の毛。
くすぐったい。
「あ・・・ん・・・。」
「怖がらないで。力を抜いて。」
やわらかに肌を撫でる指先。
暖かい手のひら。
知らないの。
こんな風に触れられた事なんてないもの。
知らないんだよ。
だって、こんな時間を過ごした事なんてない。
私・・・。
「スティーブ・・・スティーブ・・・っ。」
「イっていいよ・・・大丈夫。オレは何もしないから。」
優しく舌先が触れる。
そこは、ダメなのに。
爪先まで。
痺れる。
「はぁっ。」
頭が。
真っ白。
再会 Ⅷ 。
薄々気づいてはいた。
姫ちゃんは、本当の意味での快楽を知らないんじゃないか。
ずっと、感じていた違和感。
ウィンとの関係が最悪だった事を考えれば、それは有り得る話だった。
力ずくで奪われた。
強引な関係。
いつも泣いてばかりいた。
気づけばオレが傍にいる始末。
いつもいつも。
姫ちゃんにとってウィンは特別だった。
それは嘘じゃない。
でも。
姫ちゃんにとってウィンは、父であり、兄であり、初めて出来た友達であり。
過去のトラウマを引き摺ったままの姫ちゃんにとって、ウィンは特別だった。
けれど。
その特別はオレ達が考えているものとはまるで違っていたのだ。
だから。
ウィンに力ずくで奪われたショックは大きく、その心の傷は深かった。
ウィンの部屋から自室に戻り、膝を抱えて蹲る姫ちゃん。
いつもいつもポロポロ泣いて。
バスルームに行く体力もなくて。
いつの間にか、姫ちゃんをバスルームに運ぶのがオレの仕事になっていた。
震える躰。
小さくて。
いつも怯えて、凍えてた。
何度逃がしてやろうと思った事か。
けれど、ウィンならば探し出しただろう。
その後を考えると、何も出来なかった。
否。
何より、オレもディアンも、結局はウィンの方が大事だったのだ。
ウィンに残された時間を、少しでも伸ばしたかった。
それだけだった。
だから、残される姫ちゃんの、これからの長い人生を思い遣る事すら出来
なかった。
心の傷を抱えたまま生きていかなくてはならない姫ちゃんの事を。
もっともっと考えてやるべきだったのだ。
それなのに。
すべてが終わってから。
落ち着いてから。
そんな言い訳。
ただ、あの傷ついた瞳と向き合うのが怖かった。
逃げ出して当然。
オレ達はそれだけの事を姫ちゃんにしたのだから。
ウィンの死後。
突然、姫ちゃんが姿を消した時。
オレ達はただ。
立ち尽くすしかなかった。
痩せ細った躰。
立って歩くのさえやっとだった。
やつれて、ぼろぼろで。
それなのに。
僅かな荷物だけを持って。
たった独りで。
あれから一年半。
姫ちゃんは自分の力で生きていた。
初めての土地。
慣れない仕事。
辛い事の方が多かったはずなのに。
とても健康そうで。
凄く嬉しくて。
少し、悔しい。
「姫ちゃん。」
優しく触れただけでビクリと跳ねる躰。
少し肌荒れはしていたけれど、昔から見たらずっと健康的な躰。
田舎の素朴な家族に、とてもとても大事にしてもらったのだろう。
「い・・・あ・・・っ。」
小さな躰をうつ伏せにして、丸い踵に優しく噛み付いた。
右の踝に小さな傷痕。
虫刺されだろう。
「大丈夫だよ。オレだから。」
「スティーブ・・・スティーブ・・・。」
シーツを掻き毟る小さな爪。
何もかもが小さな姫ちゃん。
この躰で、あの地獄のような日々を耐え抜いたのか。
「ん・・・ぁ。」
「ごめんね、姫ちゃん。」
キングサイズより一回り大きな特注ベッド。
真っ白なシーツの海に溺れて上り詰めてゆく。
過去の記憶に囚われ怯える躰。
本当の快楽を知らない 貴女(ひと)。
教えてやりたい。
ふと、思った。
それは、鮮烈な欲望。
勿論、無理やりでは駄目だ。
病院での検査もある。
それでも、今しかないような気がした。
ならば・・・。
「姫ちゃん・・・ちょっと我慢してくれる?」
「ふ・・・?」
「怖くないから・・・。」
「スティーブ・・・?」
胃の激痛にのたうち回ったshiroです。
胃潰瘍の経験があるのですが、それに近い痛みでした。
胃炎かなぁ。
更新遅れててすみません。
金曜に予定しています。
R-18内容なので、お気をつけください。
では。