忍者ブログ
2007.12。公開開始。 このブログは み羽き しろ の執筆活動の場となっております。 なお、ブログ中の掲載物につきましては「無断転載・無断使用を禁止」させていただきます。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「雨だね・・・。」
「うん。」
「姫ちゃん。雨、嫌いだね。」
「うん。」
「早く、雪になるといいね。」

優しく肩を抱いて、私の隣に立つスティーブ。
笑えるくらいの身長差。
ここにディアンさんがいたら、私はドーベルマン二頭に挟まれたチワワだ。
あるいは、二頭の豹に見下ろされるハムスター。・・・こっちの方が合ってるかも。
そんな様を想像してくすくす笑ったら、ガラスの中のスティーブが小さく首を傾げた。

夜空を透かし見る窓ガラスはまるで鏡だ。
私の醜い心まで映し出されそうで怖い。
勝手に逃げたのに。
困った時だけ、こうして甘えて。
まるで、すべてが元に戻ったように。
私。
当り前のようにスティーブと並んでる。

「指輪・・・ありがとう。お礼、言うの遅くなっちゃった。ごめんなさい。」
「お守りだよ。安物だけどね。飯田には本店から取り寄せろって言われた。」
「そんな。とっても綺麗だよ。サイズもぴったり。本当は高かったでしょ?」
「それが・・・この近所で衝動買いしちゃったから。ゴメン。ホント、安物。」
「ううん。値段なんていいの。安くていい。私。高価な物をもらっても、どうして
いいのか解らないもの。」

左手の中指。
くすぐったいほど綺麗な輝き。
本当はとても高い物だって解ってる。
ひと眼で解るよ、スティーブ。
私なんかにはもったいないって事も。
解ってるんだ。
でも、スティーブが着けてくれたから外せない。
外したくないよ。
いつもいつも、申し訳なくて涙が出そう。
スティーブも、ディアンさんも、私に優し過ぎるのだ。

R-18指定。今夜サイトにUPの予定。

PR
忍者アド
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
プロフィール
HN:
miuki.shiro
性別:
非公開
Copyright ©  -- MIUKI.SHIRO.CLUB --  All Rights Reserved
Designed by CriCri / Material by White Board

忍者ブログ  /  [PR]